失敗しないオーダースーツの選び方

失敗しないオーダースーツの選び方教室(初級編)

なぜオーダーメイドがいいの?

洋服とは違って、水中で使うスーツはいかに体にフィットしているかによって快適さが大きく変わります。自分の体型にフィットしたものはストレスを感じることなく、楽しい時間を妨げることもありません。また、自分仕様にカスタマイズできるのもオーダーメイドのいいところです。例えば、左腕にダイブコンピュータをつけるために袖の長さを調整したり、ファスナー無しにしてみたり、既製品では実現できないことがオーダーメイドでは可能になります。

着心地が良いスーツってどんなもの?

着るだけで体力を消耗して疲れてしまうようなスーツは体に合っていません。ストレスなくスーツが着られて、快適さを感じられるものが着心地の良いスーツです。

きつすぎるスーツは、着るのが大変なだけではなく、締め付けられてうっ血し、ひどい場合は気分が悪くなり吐き気を催したりすることがあります。また、判断力が鈍ってしまうので危険です。

では、ゆるいのがいいのでしょうか?ゆるすぎると、着るのは楽ですが水中での水の出入りが激しいために体力の消耗が早くなり、集中力も低下してしまいます。

快適さの目安は、ダイビングであれば、水中でのフィット感を重視するので陸上で着たときに、まるでスーツに包まれているような、程よい圧迫感があるものが良いとされています。サーフィンであれば保温性を保ちながら動きやすさがあるものが求められるでしょう。それぞれの目的に合わせてスーツの作りも必然と異なってきます。

スーツ選びの基準

洋服を季節に合わせて変えるように、スーツも同じです。スーツには生地の種類や厚さ、ワンピースやツーピースなどのパターンがさまざまあります。まずは、求める優先順位を考えてみましょう。保温性、着脱のしやすさ、耐久性、値段、など人によってさまざまあると思います。また、主に利用するフィールド(海や川)が決まっている方は、それらの気温・水温も判断基準になります。

スーツの種類

スーツは大きく分けて2種類です。ウェットスーツとドライスーツです。

ウエットスーツ

水着を着用して使用します。3㎜、5㎜、6.5㎜など生地の厚みがさまざまあります。基本パターンにはワンピースやツーピースがあります。ワンピースは「つなぎ」とも呼ばれ、長袖×長ズボンのフルスーツです。ツーピースはその名の通り、ジャケットとジャケットの下に着るものがセットになったものです。使用目的に応じていろいろなパターンがあります。(図1参照)

セミドライ

ウエットスーツよりも水が入りにくく、フィット感をきつめに仕上げたワンピースです。簡易防水ファスナーを使用し、襟も二重にします。ただし、完全に水が入らないというわけではありません。

二重衿

ドライスーツ

主に寒い時期や寒冷地で使用します。スーツの下に着るのは動きやすい服です。完全防水のため体が濡れることはありません。スーツには給気バルブと排気バルブがついていて、スーツ内にエアーを入れて保温調整や浮力調整を行います。ウエットスーツに比べると疲労感が少なく、使い慣れると重宝します。日本の海では、ドライスーツが活躍するシーズンが比較的長いでしょう。

ウエットスーツのパターン

良いもの、納得がいくスーツ選びとは?

いまの時代、ネット検索すればいろいろな情報を簡単に手に入れられますが、情報が多すぎると、結局何がいいのやら、判断がつきにくいことはありませんか?そこでおすすめするのは、実際に店舗に足を運んで専門スタッフに話を聞いてみることです。正しい知識が手に入るほか、実際の生地やスーツを手に取りながら確認ができます。可能ならば、レンタルスーツを使ってみるのもいいでしょう。使用感を体験できます。

初めから何を聞けばいいのか分からない場合は、スーツの選び方を相談してみるのもいいと思います。そして、自分はどんなものが作りたいか、費用はどのくらいか、など判断をするための材料集めをしましょう。

気をつけたいことは、専門家の話はあくまでもアドバイスであるということ。専門家が言うんだから間違いないだろう?と思いがちですが、水温の感じ方、肌と生地の相性など他人には分からない要素も多いのです。正解はひとつではありません。

後悔しないスーツづくりをするためにも、最終的な判断はご自身が納得して決めることが一番です。その判断材料を集めるためにも、ちょっと遊びに行く気分でまずはお店巡りをしてみるのはいかがでしょうか。

失敗したくないオーダーメイド。良いオーダーメイドとは?

オーダーメイドを作るなら、採寸から製作まで一貫してスーツ職人が行うお店がいいでしょう。製造メーカーに発注して仕入れるお店では採寸する人と作る人が違うため、せっかくフルオーダーとして注文したのにできあがったスーツはどこか合わなかった、クレーム対応してもらえなかった、などということになりかねません。

人の体型はさまざまです。首が長い、短い、やせ型、ぽっちゃり型、ケガなどで左右の体型が違う、などなど例を挙げればキリがありません。だからフルオーダーの採寸においては、決められた採寸個所では足りないことがよくあります。実際にスーツを作る人が採寸する場合は、実際に使用する人物を見ていますので臨機応変に対応することができるのです。

オーダーメイドの型紙はひとつとして同じものはありません。まったく同じ体型が存在しないのと同じでそれぞれの型紙もすべて異なります。手間ひまをかけて作られるオーダーメイドのスーツ。お店選びも慎重にしたいものですね。

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